O2Oで買い物体験は変わるのか!?来店ポイントアプリを調べてみた。
お買い物は好きですか?
来店するだけでポイントが貰えるということで、一時話題にもなった来店ポイント型アプリ。
その来店ポイントをベースに様々なビジネス展開がされています。
少し調べる機会があったので、久しぶりに書いていきます。
O2Oとは?どういうことができるの?
まず、O2Oについて簡単に説明しますね。
O2Oとは、「Online 2 Offline(オンライン ツー オフライン)」のことで、オンラインの活動から実店舗などの購買活動に影響を与えることです。
詳しくは、Web担当者ForumのO2Oのページで。
今回は、来店ポイント型アプリを中心ですので、
その場合は、
1.アプリで提携店舗(もしくは、専用アプリで近くの店舗の情報)を調べる。
2.来店してチェックインをしてポイントゲット
3.お得情報を貰って、購買へ
ざっくり言うとこんな感じで、アプリで得た情報で実店舗の購買活動に影響を及ぼすマーケティングということです。
こんな感じ⬇
来店ポイント型アプリについて
来店ポイント型アプリの走りは、セレクトショップのSHIPSやマツモトキヨシ、ビックカメラで使える株式会社スポットライトの「スマポ」。
スポットライトは、その後楽天に買収され、完全子会社として2014年4月に「楽天チェック」という来店すれば「Rポイント」が貰えるサービスを開始しました。開始翌日に10万ダウンロードと、大変注目されています。
その他にも、リクルートが運営する「ショプリエ」、ドコモが運営する「ショップラット」など、「スマポ」と同じようなサービスがあります。
後は、無印良品の「MUJI Passport」、ヤマダ電機など専用アプリも存在しております。
使われ方としては、下図のようになっているそうです。
(出典:「来店ポイントアプリ」、ポイントを貯めるだけに来店する人が46.1%、店舗の外からチェックインしたことがある人は27.5% |internet com)
ビジネスモデルとしては、初期費用+来店チェックをした時に費用が発生する。という仕組みのため、店舗としても広告費をかけるより、必ず来店して費用が発生するということで費用対効果がわかりやすくていいですよね。
来店ポイント型アプリでできること
来店するだけで、ポイントゲットでお得!ということで、来店促進に役立つ。というメリットもありますが、他にも様々なビジネスとして展開されています。
「スマポ」や「楽天チェック」は、来店せずにポイントだけ取得するということができないアプリです。
独自に開発した「超音波通信システム及びビーコン」に関する特許登録をしています。
この技術は、スマートフォンのマイク機能を使い、店舗に設置している「超音波ビーコン」に近づくと、スマートフォンのマイクが超音波を検知し、利用者にポイントが付与される仕組みになっています。
これを使うことで、今まで来店しなかったターゲット層に対して、特定の売り場に来てもらうことが可能になります。
例えば、マルイの場合は、PB商品の認知度向上のため導入されています。
マルイのPB商品「ラクチンきれいパンプス」「ラクチン快適バッグ」など、はき心地や使い心地にこだわってつくった「ラクチン」シリーズ。企画段階から完成まで、お客様と一緒に考え、一緒に商品開発を行ったPB商品の拡販につなげたいと考え、『スマポ』を活用することで商品売り場へ誘客を促しております。
来店ポイントという特典があるということで、今まで行かなかった場所に行く機会を提供し、新しい発見を促すことができる。
そういう意味では、店舗と消費者、スポットライトの3者ともWinWinWinの関係で綺麗な仕組みですね。
来店だけじゃなく、購買を促す取り組みも
スポットライトは、ただ来店を促すだけでなく、来店から購買まで貢献できる取り組みも始めております。
スマポや楽天チェックは、アプリでチェックイン時にインストア広告を表示することができます。
なので、店舗内に居る人に対して、さらに来店データ、購買データに基づいたその人に対して最適化された広告を配信することが可能になります。
これを活用して、「ポプラ」などのコンビニエンスストアで7日間実施したクーポン配布サービスのテストが行われました。
クーポン配布を実施していない他の週と比べて約2倍の購買率が得られたとのこと。配布されたのはコカ・コーラ社製品の10円引きのクーポンで、関東と広島の「ポプラ」と「生活彩家」の41店舗で行われました。
今回のインストア広告を実施した、コカ・コーラ カスタマー マーケティング株式会社の石原由之氏は以下のようにコメントしています。
現状のCVS における顧客向け施策は、商品値引きがメインになっていますが、値引きによる売上への効果は年々下がっており、我々メーカーとしても、新たな店舗販促が課題となっていました。
今回「楽天チェック」を使ってポプラ様で展開させていただいた「インストア広告」では、高い購入率という結果も出まして、この施策による効果を実感することができました。今後は店舗側の協力もいただいて、店頭POP による「インストア広告」周知も行うことで、より高い売上効果が得られると期待しています。
これは、面白い取り組みですよね。
スポットライトからすれば、来店させて店舗から収益を得るだけでなく、メーカー側からもインストア広告として収益を得られる。
1度だけでなく2度美味しい。良いビジネスモデルです。
さらにマーケティングリサーチにも活用できる来店アプリ
来店、購買を促すだけでなく、さらにマーケティングリサーチにも取り組んでいます。
僕がちょうどポプラでチェックインしたときに出た画面。
品揃えについてのアンケートをやっていました。
これについては、商品の宣伝とアンケートと2種類のことを詰め込んでたので「買い物中にこんな文章読めるか!」って思いましたが、このアンケート機能を使うことで、店舗内に居る人にリアルタイムに情報を得られることが可能になります。
通常のネットリサーチとかでは、ぼんやりしたイメージで回答する形になるかと思いますが、
実際に店舗に居る時に「店舗は清潔ですか?」や「品揃えは趣向にあってますか?」と聞かれれば、意識して見るようになるため、精度の高い情報を集めることが可能になります。
まとめ
今回は、「来店ポイント型アプリ」について調べたことを書いてみました。
来店促進、購買促進、リアルタイムでのアンケートなど様々な取り組みが行われています。
特に、スポットライトの「楽天チェック」では、Rポイントと提携することで、ユーザー毎の来店データだけでなく購買データも集められることになります。
ビッグデータの活用というのは、話題にもなっている分野ではありますので、これから期待ですね。
僕としては、ドラッグストアやスーパー、ホームセンターなどと提携して、ユーザーの来店頻度、購買頻度から近くの店舗のクーポン情報を通知で投げる。もしくは、「あなただけのメッセージ」ということで、来店⇒購買⇒リピートまで持って行けるんじゃないかと思っています。
基本的には、先頭を走っているスポットライトについてですが、他にも「ショプリエ」のポイントカード管理なども面白いので、気が向いたら書こうかなと思っています。
スポットライトの代表柴田さんが「日本のベンチャー」について書いている本